かいだん

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夏のある日の真夜中、100階建てのマンションに住まう人が友人を集めて怪談を話し合っていた。

そしてとうとう、住まう人の番が来る。

「このマンションはいわくつきでね、一階から階段で百階まで上って怖いことを話すと、それはとてもとても恐ろしいことが起こるそうなんだ。今からやってみようか。何、最上階は僕のうちだ。少し休めるさ」

そう言って彼らは1階から階段で100階まで上ることにした。

このマンションは深夜になるとエレベーターが使えないから、階段で移動するほかないのである。

彼らは足取り軽く、最上階へと目指していった。



徐々に足取りが重くなり、やっとのことで最上階に辿りついた。

彼らはもうバテバテでかなり疲れている。

すると住まう人はあることに気が付いた。

そして他のメンバーにこう切り出した。

「……なぁ、怖いこと言っていいか?」

他のメンバーは思わず、唾を飲んだ。

住まう人は、妙な緊張感を発しながらこう言った。


「一階にカギ忘れてきた」


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