ある夜更けのころ、警察署の取調室がとても騒がしかった。
どうやら先程捕まった殺人犯の男を刑事が取り調べているらしい。
なんども机を拳でたたく音がして、怒鳴り声と共に吐かれる罵詈雑言が所内に響いていた。
「貴様!なんでヤツを殺した!?」
取調べをしていた刑事がまたも机を叩いて、
ベタなサスペンスドラマのような台詞を緊迫した表情で怒鳴る・
「手で」
しかし、犯人は無表情に刑事の顔を眺めている。
そんな犯人の態度に刑事は熱くなったのと、根本的に話が噛み合わない
のに苛立ちを感じまたも前のめりになって机を叩く。
「だから、どうして!?」
「こうして」
犯人は突き出された刑事の首に手をかけると、両手で締めた。